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今、何かと話題の「SHOWROOM」の成長の3つの要因

2017年の上半期、米アプリ調査会社App Annieが発表したアジアにおける、動画配信アプリの収益ランキングで1位を獲得したのが「SHOWROOMショールーム)」です。

SHOWROOMはプロアマ問わず、誰でも生放送の配信や視聴ができる動画配信アプリで、配信者と視聴者が双方向コミュニケーションを取ることができ、配信者に無料、有料のアイテムを送れる「ギフティング」というシステムが大きな特徴となっています。

また、AKB48メンバーなど、著名なアイドルが使用することで、大きくユーザー数を増やしていったと言う戦略もあります。

現在の動画アプリ全盛の時代において、SHOWROOMはどのような戦略のもとサービスの規模を拡大していったのか!?


代表の前田裕二もSHOWROOMが急成長できた理由は3つだと仰ってます。


1、リーンに行動する

前田裕二さんいわく「最初は正直どこに正解があるかわからなかったので、とにかく仮説を一瞬で立てて、行動・実践の中で仮説を精緻化しました。」と仰っているように、サービス開始時期から一貫していたのは、仮説やアイデアを練るよりも、ユーザーや市場の反応に洞察を得て、どんどんサービスを改善していくことだったのです。

その前提にあるのは、「自分たちには正解はわからない」という強い確信で、メディアはこうあるべきだとか、こうすれば成長するといった先入観や通説に頼ることなく、また、失敗することを恐れず、リリースしたプロダクトや機能に対してユーザーが挙げる声や実際の行動を最優先の判断基準としたそうです。

アバターのデザインやユーザー間のフォロー・フォロワー機構など、サービスのあらゆる面を、ユーザーのリアクションを見てリーンに改善していき、失敗を厭わず改善を積み上げるこのスタンスによって芯を食ったユーザー体験がいち早く提供でき、サービス立ち上げ初期からのロイヤルユーザー確立に至ったのが原因だと思います。

自身とメンバーの行動一つひとつに、「なぜその行動をとるのか?」と問いかけ、目的意識が散漫にならないようにしながら、仮説が確信に変わるまでやり続けることが大事なのではないでしょうか?

前田裕二も「最初の10人~100人のコアユーザーがどこまでサービスを愛してくれるかは、本当に何にも勝って大事。彼らはいわば僕らの『夢の協力者』。ビジョンに共感し、一緒にそれを実現しようとしてくれる人たちです。最初期はこうした人たちをまず10人つくることを目的にしていました。チーム内でコアユーザーの方々の名前が飛び交うことが多くなって来た時、気づけば、それに比例するようにサービスが盛り上がっていきました。」と仰ってます。



2、世界観を言語化する

ユーザーの声に合わせてサービス内容をどんどん改善していく一方、初期から一切ブレずにSHOWROOM全体に染み渡っていたのが前田裕二のビジョンです。

起業家がビジョンを持つことの重要性は至るところで語られているが、前田裕二は、そのビジョンを「言葉にする」ことが極めて上手です。

「まるで壊れたレコードかラジオみたいに、『僕らの手で世界をどうしたいのか』を良い時も悪い時もひたすら語り続けよう!」と言うコンセプトを言葉にすることで、ビジョンに共感し、同じ志しをもった人が仲間として増えていく。

そして、仲間同士の共通言語で、コミュニティーとしての絆を再確認することができる。

実際、初期の採用の基準は、前田裕二の「ビジョン共鳴」するかどうかに重きを置いていたそうです。

実際に、社員規模が20名〜30名くらいのときは、週に一回の個人面談でビジョンを語り、社員規模が増えてからは役員やマネジメント層に語り続けたと言うエピソードもあります。

しつこいと思われても、SHOWROOMの存在意義や、その素晴らしさを、熱っぽくウェットに語り続けた前田裕二。

スタートアップは、環境が目まぐるしく変わるため、メンバーがやりがいを見出せずに離職者が多く出るケースも多かったそうですが、そんな時こそ「この会社で頑張る意味」の原動力になったのが前田裕二のビジョンだったそうです。


3、最初のドミノを倒す

SHOWROOM知名度を一気に高めたと言っても過言ではないのが、AKB48メンバーのライブ配信です。

しかし、これは簡単に実現したわけではないそうです。

アイドル業界とのネットワークはゼロだった当時、まず最初のトランザクションをつくるために、前田裕二は、全国のアイドル事務所に連絡したり、ライブ会場に毎日足を運んだりした。

良い仕組みのプラットフォームさえ用意すれば、勝手にコンテンツが増えるというわけではないのです。

自分でコンテンツを増やす工夫をして、起爆剤を点火する必要があるのです。

コンテンツを増やすためには、地道に足で稼ぐしかない。

前田裕二はAKB48のプロデューサー・秋元康になんどもアタックし、最初の頃は顔すら覚えられない中で、世界中を駆け回って熱弁したと言うエピソードもあります。

前田裕二も「社内の共通言語ができるくらいに、ビジョンを語り続けることが大切だ」と仰っています。

先の見えないスタートアップ経営では、熱意と実力をもつメンバーの採用・ケアは容易ではありません。

しかし、実現したいんだ!と言う強い想いがあれば、何でも実現して行けるんだ!と言うことを背中で見せてくれいる前田裕二さんはすごい方だと思います。